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ブルボンウォーターポログラフ柏崎・監督 プロ水球選手 青栁勧

仁王立ちし、プールでトレーニングをする選手たちに視線を送る。青栁は大声でアドバイスをした後に、自らプールに入る。選手たちに手本を示すだけでなく、一緒にトレーニングメニューもこなす。野太い右腕から繰り出されるシュートは手加減なし。現役の日本代表のけん引者。5月にはワールドリーグアジア太平洋州ラウンドに出場してきたばかり。ひとけた違うプレーに、選手たちの間には緊張感が走る。

青栁が率いる新潟産業大学、そしてブルボンウォーターポロクラブ柏崎(ブルボンKZ)の練習が行われているのは柏崎アクアパーク。一般営業が終了した後の午後8時から開始される。決まった練習会場で学生とクラブチームが合同で行う。「こういう環境があって、助かっています」。選手たちはもちろん、現役でもある青栁にとっても貴重なトレーニング環境だ。

柏崎市は新潟県の水球のメッカ。2009年トキめき新潟国体の、水球会場だった。1964年の新潟国体でも開催が予定されていたが、新潟地震のために断念。その後、柏崎高校がインターハイを制するなど、伝統的に水球に力を入れてきた街だ。その土地に青栁がやってきたのは2009年のこと。

新潟産業大学の教員となり、水球部の監督に就任した。2010年には「ブルボンKZ」を結成。早速日本選手権に初出場して3位に。チーム創設に際し、青栁の呼びかけで全日本クラスの選手たちをそろえていた。とはいえ、急ごしらえのチームが可能性をみせた。短期間での成果を踏まえ、「今シーズンは結果を出すシーズンです」と位置づける。ブルボンKZには、当然のように、全国制覇への期待がかかる。志水祐介、保田賢也が8月のユニバーシアード代表に選ばれた。来年のロンドン五輪出場を目指し、日本代表メンバーの主力をブルボンKZで占める。そんな1つ青写真を形にするためにも「今年が大切です」と言う。

ただ、青栁の頭にあるのはそれだけではない。「クラブチームの強化は重要です。でも、それはプランの1つ」。先にあるのは「水球をメジャーにする。柏崎市がその拠点になる」こと。新潟産業大学で学生を指導すると同時に、自ら大学院に通う。経済学の観点から街づくりを学んでいる。指導、練習、そのほかに企画もこなす。ブルボンKZが手がけるイベントを発案し、各所に交渉。6月からはクラブの選手たちが市内の小学生を指導する水球教室がスタートした。海外チームを呼んでエキシビションマッチを行う計画も検討中だ。練習以外はスーツ姿で過ごす時間がほとんど。完全なオフは「ありませんね」と笑う。「これは自分の使命だと思っています。まだ走り始めたばかりですけどね」。今の生活は「充実している」と言う。

日本の水球界をリードしてきた存在でもある。2004年から4年間、海外でプロとしてプレーした。イタリアではベルガモで2部の得点王を獲得した。国内屈指の強豪・ブレッシアにも所属し、世界最高峰のユーロリーグで戦った。海外でのラストシーズンになった2008年は、水球が国技とも言えるモンテネグロでプレー。国内カップ戦に出場するなど、スター選手だった。日本代表では2006年アジア大会準優勝、2007年世界選手権出場の立役者になった。

帰国する際にも、さまざまな海外クラブから誘いがあった。30代前半は選手としてピーク。世界で活躍する自信はあった。それでも帰国を選んだ。「日本の水球を認知させるためには、自分が国内でアクションを起こす必要があったんです」。海外で奮闘しても、それはトピックス的にメディアで取り上げられるだけにとどまった。日本の水球のレベルが認められるわけでもなく、ましてや日本国内で水球人口が増えるわけではなかった。「生活に困らないサラリーをもらって、海外でプレーする。それだけでは自己満足にすぎない」。そう感じたとき、意義はなくなっていた。

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